雨ニモマケズ

なんとなく自転車やバイク(オートバイ)なんかの話をグダグダ書いてます。ホンダNM4再販を願います。

エリミネーター250V キャブオーバーホール&セッティング

エリミネーター250Vの調子が宜しくない日が続いていた。

 

2010年に購入しずっと好調だったのだが2020年頭ごろ2か月くらい乗らない時期があり、久々にエンジン掛けようと思ったらセル回らず。

バッテリー充電してチョーク引いてセル回してもかからずで、『押し掛けかなあ・・・』と思っていたらエンジン下にボタボタと液体が!!そしてガソリン臭い!!!

 

こりゃイカンと近所のカワサキショップへバイクを持ち込みキャブOHして貰った。

 

キャブ上エアクリーナーボックスの5点止めボルトの中央1本(ボックスの真ん中の穴の中にある奴)が完全固着して外せないらしく、エアクリボックス上側を破壊して外したとかでとても苦労されたと聞いた。(感謝)

内容は下記で修理費総額約4万円

・キャブO/H

パイロットエアスクリューoリング交換←原因はコレか!Oリング死んだか。

・キャブ上エアクリボックス新品交換。

・エアクリーナー交換

 

修理完了して暫くは問題無く動いている。ように思っていたのだが・・・

 

 

その時期あたりから『アレ?』という現象に気が付いた。

 

5000回転を超えると息継ぎする事がある

 

そうなると5000以上でアクセルを開けても『ボコボコ』いって一向に回転数が上がらない。レブルにも追い抜かれてしまうよ!!

ゆっくりゆっくり回転数が上がって、7000超えても通常時とは比べ物にならないスローな回転数の上がり方で加速もトロトロ・・・アクセル半開でも全開でもだ!!

そして一度エンジンを切ると再始動に少し手間取る。セルを回してもすぐ点火しないので数秒キュルキュル回さねばならない。

 

何度も乗っていると、それは常時発生する訳ではなく一定条件下で発生する事が判った。

 

◆発生条件

標高1000m超えると100%症状が発生する。上り坂は125cc以下の加速。(季節&純正/社外マフラー何でも発生)

社外マフラーの時に症状悪化

夏場、特に外気温35度以上でより症状悪化

 

 

箱根や道士みちの山伏峠あたりが顕著。山中湖~小田原に抜ける峠も駄目。

つまり気持ちよく走りたい道でほぼダメ!!走ってて苦しいの初めてだ・・・

 

 

しかも、標高1000m以上に行かなければ不都合無かったのだが、

徐々に標高に関係なく5000回転から息継ぎするようになってきた

走れなくはないが常に気持ちよく走れない

 

修理に出す前もカワサキ車にしてはすごく始動性良いバイクだ。と思っていた。

  外気温15度もあればチョーク引かずともセル1発始動。

  氷点下でもチョーク引けばセル1発始動。

チョーク戻すとエンストするが、2000回転を30秒もキープすればアクセル放しても頼りないながらもアイドリングしてくれる。

 

『こんな使い勝手のいいカワサキ車あるのか』と思っていた。

 

 

それが、修理後は外気温10度でもチョーク引かずにセル1発始動。チョーク引くと掛からない・・・?

コレってかなり『濃い』状態では・・・?

と、不調の原因を考えると思うわけだ。

 

過去に乗ったカワサキ車は20度超えるまではチョーク必須。

始動したら1~2分暖気しないとアイドルしない。が普通だったものな。

 

まあ、とりあえず一つずつ不調になり得る要因を潰していく。

 

まずバイク屋に持っていったら「アレヤコレや複合的に要素多すぎてどれからやっていいいか・・・」と難しい顔をされたので自分でやる事にした。エリミは整備性悪いので、規定工賃で面倒な作業を(何度も)お願いするのはとても申し訳ない。

カワサキさんに、もうNM4を買ってしまってエリミはサブ機なのでカワサキ車買い替えの選択肢は無いのです。とは言えないし)

 

まず不調の可能性となる可能性を潰していく。

 

◆整備/点検

・燃料フィルター(詰まると不調に)・・・新品交換したが古いのも全く汚れが無かった。変えても変化なし。

・エアフィルター(汚れると不調に)・・・新品に交換したが再度新品へ交換。古いのもさほど汚れていなかった。変えても変化なし。

・プラグ(焼け具合で汚れがわかる)・・・1年前に交換したが再度新品交換。前後ともカブり気味。黒い。CR9Eが純正だがCR9EK(2極タイプ)にしてみた。カブり気味で点火しきっていないなら少しでも点火しやすいというこちらに。変えても変化なし。

・エンジンオイル量(多いと吹けが悪く)・・・夏に向けゲージ上目にしてたが中央値へ。変えても変化なし。

プラグコード(接触不良等で不調に) ・・・差し込み点検。中回転までは何ともないのでチェックのみ。

・マフラー(社外品は不調になる事が)・・・ノーマル戻し。中は煤だらけ。かなり濃いのか?社外品からノーマルに変えると多少マシになる。

 

もうキャブしか残ってない。

 

◆原因推測

5000回転以下は好調なのと、マフラーの種類で調子が変わる事から点火経路(プラグコード)/タイミング(CDI)の不具合は考えにくい。5000回転以下を制御するスロージェットも問題ないだろう。

プラグとマフラーの煤まみれ具合を見ると全域で濃く不完全燃焼気味なのではないか?と考えられる。

不調発生する5000回転以上はジェットニードル/メインジェットの領域。

濃いを薄くするにはメインジェットを変えて中高回転を調整するのが単純。(エリミネーター250Vはジェットニードルに段調整がないので)

しかしいきなりメインジェット変えるのも抵抗があるのでとりあえずキャブの中身が汚れていたりしないかチェックがてらキャブ清掃する事にした。

 

◆キャブ清掃

1年前にバイク屋でキャブOH (ガソリンだだ洩れ修理)済だけあって見た目奇麗だった。

・ジェット類(メイン/スロー)= 特に異常/詰まりは見当たらず。キャブクリーナーに漬け込み洗い。

・ニードル類/ダイヤフラム/フロートバルブのチェックと清掃=特に異常/詰まりは見当たらず。

・油面(フロート高さ)=だいぶ変。ぱっと見でもフロート出代小さい→油面高い方向とりあえず今回は清掃のみで何か変わるか見てみる。

 

 

・キャブ清掃後の調子

キャブ清掃後に組みなおして2~300km走ってみたが、標高低い場所であれば軽く吹け上り好調になった(ノーマルマフラー時)が、真夏の35度近い最高気温の時期を超え少し涼しくなってきたからかも?

ノーマルマフラー→スパトラ(24mmインナーサイレンサー追加+皿5枚の排気抵抗極大仕様)にすると8000回転~あたりでモッサリ感が出てくる。アクセル全開でレッドまで回ったり回らなかったり・・・スパトラは内径24mmインナーサイレンサー付きなのでノーマルより高回転の抜けが悪いせいかも。

やはり、『排気抵抗増加で不調→抜け悪くなると空気量不足し濃くて点火しない』がしっくりくる。

 

夏場の炎天下と標高が高い所で不調になるのは、どちらも外気圧が低くなると不調=吸気量が少なくなると不調=空気が薄く(燃料が濃く)なり不調』としか考えられない。

 

 

◆対策検討

薄くするのは決まっても問題は何をどうするか。油面(フロート高さ)は直すとして他に出来る事は・・・

 

どうせ薄くするなら燃費も良くならんかな。と思うとエリミ250vの前期後期の差を思い出す。

 

環境対応で馬力が38ps/13000rpm→35ps/12500rpmへの変更されているのだが、各インプレ/レビューを見ると前期/後期で燃費に謙虚な差があるのだ(前期16~25km/L、後期20~30km/L)。

乗り方や車両状況で大きく変わるのが燃費だが25km/L以上走る前期型の話はほぼ聞いた事が無いので、後期は燃料/排気/最高回転を縛って全体的に排ガス浄化に振った結果燃費も良くなっているのだろうと思っていた。

 

・前期/後期の差

調べてみると下記の差がある。

・メインジェット変更=前期(1998/1999年式) 115番(以降年式の後期が112番)

パイロットエアジェット変更=前期 ♯90 (後期♯85)

・後側ジェットニードル変更=品番変更(前側は変更無し)

・油面(フロート出代)変更=前期  Ft=4.7mm、Rr=2.1mm、後期  Ft=4.7mm、Rr=3.1mm。(全て±1mm)

・マフラーのエキパイとサイレンサー繋ぎ部径変更=オスメス変更(接続部内径細くなってる?)

 

↓98(A1)/99(A2)は#115、それ以降の99(A2A)以降は#112がメインみたいだ。



前期後期の差も全体的に薄くなる方向なので、上記の後期仕様を参考に対策を決定する。

 

◆対策決定

・油面調整(フロート高さ調整) → 後期  Ft=4.7mm、Rr=3.1mm。(全て±1mm)

・メインジェット変更=前期115番→後期112番

・ジェットニードル変更→後期の品番へ変更

パイロットエアジェット1/8閉め

 

 5000回転~の息継ぎは油面高いのが主要因だろうと予想。油面が低くなる後期の数値に合わせる。

中高回転も薄くして万全を期す為メインジェットも変更(燃費向上も兼ねる。前期後期燃費差の主要因はコレでしょ。60km/h低速走行時だからパイロットエアジェット関係無いし)

 ジェットニードルは・・・何となくだ!!(メインジェットとセットで後期仕様で統一した方が良さそうという理由)

パイロットエアジェットは1年前に変えたばかりで勿体ないのと低回転は調子良いので部品変更無し。その代わり高標高での再始動性向上対策(気温10度でもセル1発始動は濃すぎる)1/8回転ほど閉める。

 

薄くするのは嫌う人多いけど、後期に合わせるだけだしスパトラはトルク重視のフン詰まり仕様だから丁度いいだろう。

焼き付く心配するほど薄くする訳でもなし、最高馬力13500rpmまでなんてまず回さない(今回の様な調子見る時だけ)。

後付けタコメーター12000rpmまでしか表示無いしねw

 

本当は一つづつ試さないと原因特定出来ないんだが、

 

エリミ250Vのキャブ脱着なんて何度もやってられるか!

 

 

◆対策実施

さっそく店にパーツを注文。ついでに全く交換してなかった燃料系ホースも交換すべく注文。

部品が揃い、天気が悪くバイクで出かけるにいは躊躇う(しかし土砂降りではなく外で作業可能な)レアな条件の日に作業実施。

 

整備性最悪といわれるエリミ250vのキャブ弄り。2回目なので慣れた物だ。

 

でも面倒!!

 

難しくはない。ひらすら面倒なのだ。

シート外し、サイドカバー左右外し、メーター外し、タンク外し、タンク下のカバー左右外し、エアクリBOX外し、チョークレバー外し、キャブへのラジエタホースと燃料ホース外し、やっとキャブが外せる。

 

その中で一番面倒なのがエアクリBOX外し。上のハーネスが邪魔で知恵の輪である。

何分で外せるかは運だな・・・

 

外したキャブのジェットやニードル交換もただ交換するだけなので簡単。パイロットエアジェット閉めも簡単。

 

油面調整が手間取った。

基準_前期  Ft=4.7mm、Rr=2.1mm、後期  Ft=4.7mm、Rr=3.1mm。(全て±1mm)

なので前期の高さであるのが基本なのだが、低いなと思っていたフロート高さを計ってみると

実車   Ft=2.0mm、Rr=0.5mm・・・低すぎ。これめちゃ濃くなるんじゃ?

 

フロートのフロートバルブが引っかかる金属部を曲げてフロート高さを合わせる。

しかしフロント4.7mmにするとキャブ上下回転させてもフロートバルブ閉まったままでほぼ開かないんだけど・・・(バルブ1mmちょいしか動かない)

それが不安になったので、フロントは油面高めだが下記の数値に調整。

 

基準_前期  Ft=4.7mm、Rr=2.1mm、後期  Ft=4.7mm、Rr=3.1mm。(全て±1mm)

調整後       Ft=4.0mm、Rr=3.1mm 

 (前+2.0mm、後+2.6mm調整)

 

◆比較図(Ftのみ掲載)

調整前(Ft)                                           ・調整後(Ft)

 

Ft側しか写真となかったけどこんな感じ。


 

これなら後期に近い数値で、前期/後期とも管理値内。

フロントのフロートバルブ開閉ストロークもまぁまぁ確保!!

 

ただ、ロント側のフロートバルブに段付き線発見・・・部品頼んで届くまでマンション駐輪場でキャブ外したままにはしておけないので、フロートバルブを前後入れ替えて組む(フロント側の方がフロートバルブのストロークがシビアそうに見える為)。

一応キャブ各所にキャブクリーナー吹いてから組み直して車両に取り付け。

 

◆効果確認

車両にキャブを組み込んで、いざエンジン始動!!

※マフラーはスパトラ(インナーサイレンサー+皿5枚)のまま

 

 

雨上がりで外気温15度程度と気圧は低めだろう。

  • エンジン始動→アイドリング調整=OK

・案の定セルだけではエンジン掛からず、チョーク引いてセル回すとすぐ始動。

・チョーク戻すとエンストするので、アクセルちょい開けで2000回転キープのままチョークを戻す。

・数分アイドルしエンジン温まってもアイドリングが1000回転程度と低めで不安定。すぐにエンスト。

・アイドリング調整ノブを回してアイドリング回転数を1300回転に上げる。安定するが、長時間アイドルでたまにエンスト。

・アイドリング調整ノブを回してアイドリング回転数を1600回転に上げると完全に安定。停止時や長時間アイドルも安定。

 

〇テスト走行=標高50~100m(近所にて)_OK

・走行(~5000回転)

もともと好調だったが好調を維持。トルク感も変わった感じはない。

・走行(5000~8000回転)

問題の5000~の息継ぎは発生せず。スムーズに力強く加速する。

・走行(8000~12000回転)

元々標高低いときは問題無しだがやはり近所を走る分には問題無し。

 

 

後日、160kmほど山道含め走ってみる。

〇テスト走行=標高~1100m(道士みち山伏峠、山中湖~小田原)_OK

・走行(~5000回転)

もともと好調だったが好調を維持。トルク感も変わった感じはない。

・走行(5000~8000回転)

問題の5000~の息継ぎは発生せず。スムーズに力強く加速する!!

・走行(8000~12000回転)

以前は息継ぎして走るだけでやっとだったが平地と遜色く好調!!!

 

 

これは・・・直った?完全復活??ノーマルマフラーやkerkerも試さねば!

 

 

その前に、エリミネーター250Vの最大の魅力、気持ちいい(はずの)エンジンなのに苦行となっていた箱根にヒーハーせに行かねばばば!!

 

来週が楽しみだ!!まってろ箱根!!

 

 

 

---参考---

古いエリミで初めてキャブバラすなら、パイロットエアスクリューもついでに交換した方が良い。ここはOリングが使われているのでOリング劣化するとガソリン駄々洩れになる。(自分はキャブ調整前にガソリン洩れでお店で交換してもらった)

※但し98/99年式以降はこの取付穴が真鍮みたいなので塞がれていて、それを撤去しないと見るる事すら出来ないとか・・・無理そうならチャレンジせずお店に出そう。